
・ITの勉強って何から始めたらいいんだろう?
・IT初心者が目指しやすい資格ってあるかな?
この記事では、このような悩みを解決するために、次のことが書いてあります。
- 本記事の信頼性
情報通信業界で約12年間勤務、初級システムアドミニストレータ(旧ITパスポート試験)に合格している体験に基づいて書いています。
- H30年度、令和元年度の応募者数は10万人を突破。
- 累計応募者数は100万人を突破。
世間でIT業界のメジャー資格になりつつある「ITパスポート試験」。
実際は、ITに関する内容だけでなく、経営、法律、会計を含め、ビジネスパーソンが情報社会を生き抜く上で、身につけておきたい基礎知識を体系的に学ぶことができる資格です。
この記事では、ITパスポート試験の概要、難易度、取得メリットなどを解説していきます。
ITパスポートの試験概要を知りたい方、受験を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ITの基本知識は誰もが必要不可欠な時代


現代は、生活基盤の一部としてIT活用は必須の時代。
ITなしでは社会が成り立たない状態になっています。
年齢、文系/理系、業界、職種は関係なく、誰もがITに関する一定の知識やスキルが求められています。
ITパスポートとは?
ITパスポートは、ITの利活用が必要となるすべての社会人、学生が備えておくべき、ITに関する基礎知識を証明できる国家試験です。
経済産業省認定、(独)情報処理推進機構(IPA)が運営している「情報処理技術者試験」のエントリー資格になります。
ITの未経験者がITの基礎的な知識を身につけることを目的に、IT技術に関する知識はもちろん、経営全般やプロジェクトマネジメントなどに関する幅広い知識を学ぶことができます。
H21.4新設以来、応募者数は右肩上がりで増加。
- H30年度の応募者数は10万人を突破。
- 累計応募者数は100万人を突破
大変人気のある資格です。


ITパスポートの試験概要



ITパスポートってどんな試験なの?



試験の概要を解説していきますね
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 120分 |
出題数 | 100問 |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ・ストラテジ系(経営全般):35問程度 ・マネジメント系(IT管理):20問程度 ・テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
受験方式 | CBT方式(コンピュータ上の試験問題に対し、マウスやキーボードで解答) |
受験料金 | 5,700円(税込み) |
受験制限 | 無 |
参照:IPA「ITパスポート試験」
合格基準
次の①②を満たす必要があります。
- 総合評価点が600点以上
- 分野別評価点がそれぞれ300点以上
- 総合評価点が600点以上
- 分野別評価点がそれぞれ300点以上
ITパスポートの出題範囲



試験には、どんな問題出題されるの?



大きく分けて、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3種類になります。


ストラテジ系(経営全般)
会計・財務分野は計算問題が出題されることが多く、その他の分野は暗記が必要です。
世の動向を反映した問題も出題されるため、最新のIT動向は押さえておく必要があります。
ITよりは企業活動そのものに関する内容が問われるため、馴染みのない人が多い領域かもしれません。
マネジメント系(IT管理)
システム開発を進めていくためのプロジェクト手法や運用に関する内容が問われます。
いずれの内容も、論点に関する正確な暗記が必要になります。
テクノロジ系(IT技術)
ITパスポート試験で最も多く出題される重要領域です。
ITに関する正確な知識をきちんと覚えていくことが大切になります。
出題範囲が広いため、日ごろからITに触れている人も体系的な勉強が必要です。
ITパスポートの合格率は?



合格率ってどのくらいなの?



ここ最近は50%前後の推移で安定しています。
情報処理技術者試験の一つ上の区分の「基本情報処理技術者試験」の合格率は平均して20%台。
この合格率と比較すると、高い合格率であると言えます。


ITパスポートの難易度とは?



合格率も高くて、エントリー資格ってことは簡単なのかな?



いやいや。そんなことはありません。特に、IT初心者の方にとっては難関ですよ。



そうだよね。そんな甘くないよね。。



日頃からIT関係に触れているか触れていないかで、難易度や勉強時間は全然変わってきます。
これまでITに触れていない方
初心者の方は、それなりの勉強時間が必要です。
勉強時間の目安は、個人差はありますが、およそ100時間程度と言われています。
ITの世界は、英語の略語やカタカナ用語が多く、一つずつ丁寧に覚えていくことが大切です。
日ごろからITに緩く触れている方
まずは過去問を解いて、実際の試験問題がどのくらい解けるかを見極めてからスタートした方が効率的な勉強ができます。
不足している部分を中心にテキストやインプット教材で補っていきましょう。
注意は、ストラテジ系、マネジメント系の分野。
日常生活でITを利活用しているだけでは、これらの領域はあまり馴染みがないかもしれません。
ストラテジ系、マネジメント系の分野をインプットしながら、テクノロジ系の知識を体系的に身につけていきましょう。
この場合、30時間~50時間程の勉強時間で、合格基準をクリアできるようになる方が多いようです。
ITを専門としている社会人や学生
いきなり過去問から学習していくことをおススメします。
過去問を5年分ほど繰り返し、自分が苦手な分野、知識が足りない部分を見極め、この部分を中心に知識を習得していきましょう。
こちらも注意は、ストラテジ系、マネジメント系の分野。
社会人の方は、会社業務で馴染みのある人もいるかもしれませんが、学生の場合は、まだまだ馴染みのない分野かもしれません。
そのため、ストラテジ系、マネジメント系の分野を中心にインプットを行い、過去問で解けなかったテクノロジ系の分野を固めていくことで、合格基準を目指しましょう。
ITパスポートを取得するメリット





そういえば、ITパスポートの資格ってなんでこんなに人気なの?



ITパスポートのメリットを紹介していきますね。
ITや経営に関する基礎知識がバランスよく学べる
- ITに関する知識。
- IT利活用を支える知識。
- 企業経営に関する知識。
ITパスポートの出題領域はほんとに広いです。
ITに関する内容はもちろん、IT以外の問題もたくさん出題されます。
そのため、勉強は大変ですが、情報社会を過ごしていく上で必要なIT知識をバランスよく学ぶことができます。
ITに関する基礎知識を有している証明になる
ITパスポートは、国が認めた国家資格です。
ITパスポートの資格を持っていることで、ITの基礎知識を客観的に証明できるようになります。
どのような業種業態の企業でも、IT知識は必須の時代。
そのため、就職や転職の際に有利に働くことがあります。
受験日を柔軟に決めることができる
ITパスポートの試験は、全国47都道府県の試験会場で、CBT方式により随時実施されています。
ほかの情報処理技術者試験は、年に春/秋の1回または2回しか受験できない中、ITパスポートは、1年間のうち、自分の予定や準備期間に合わせて受験日を柔軟に決めることができます。
また、仮に不合格になってしまったとしても、再チャレンジまでの期間を短くすることができるので、モチベーションの維持をしやすいこともあります。
ITパスポートの資格取得で気をつけたいこと


ITパスポートで学ぶことは、あくまでもITの利活用に必要な基礎知識。
ITに関する実践力を身につけるものではありません。
そのため、ITパスポートの資格があるから実務ができるわけではないことに注意しましょう。
- 資格と実務が結びつかない例



私も、情報通信業界で約12年間勤務していたので、ITパスポートで学ぶ基礎知識だけでは実務で通用しないことを痛感しています。
それでは、ITパスポートの資格は意味がないのか?と言われれば、そんなことはありません。
仕事、勉強、スポーツ、趣味、どんなジャンルでも、基礎知識がなければ実践力や応用力を身につけることはできません。
ITパスポートでは、きっちりとしたITの基礎知識を身につけることができる。
- IT業界で生き抜いていく。
- ITの実践力を身につける。
このためには、ITパスポートで学んだ基礎知識をベースに、さらに深い知識を身につけたり、実際に自分で体験したりしていく継続的な努力が必要です。
まとめ


IT技術が日進月歩で深化する中、利用者側のITスキルはもちろん、モラルやリスクを同時に正しく理解することが求められます。
また、ITが身近な存在である以上、一定のITに関する基礎知識は欠かせません。
ITパスポートの勉強を通じて、IT社会に必要な基礎知識を身につけることができます。
- IT初心者の方
- これから社会人になる方
ぜひ、ITパスポートの資格取得を通じて、ITに関する正しい知識の習得を目指してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。