
診断士資格の1次試験と2次試験は別物の試験って聞くけど、何が違うのか具体的に知りたい、、
このような悩みを解決していきます。
- 1次試験と2次試験の違い(試験概要)
- 1次試験と2次試験の違い(試験内容)
- 1次試験と2次試験で必要な対策
- 診断士試験を突破するためのキー
結論は、診断士の1次試験と2次試験は全然違う試験です。
出題内容・方法、試験時間、解答方法、何から何まで違います。
そのため、1次試験と2次試験に合格するためには、それぞれの特徴を踏まえた対策を取る必要があります。



この記事では、診断士資格の1次試験と2次試験の違いを踏まえた上で、それぞれの試験突破に必要な勉強方法を紹介していきます。
この記事を読み終えたとき、1次試験と2次試験の違いが分かり、合格に必要な対策や考え方が分かるようになりますよ。
本記事の執筆者


中小企業診断士1次試験と2次試験の違い(試験概要)





1次試験と2次試験は同じ診断士試験なのにそんなに違うの?



全然違います!別試験と思った方がいいですよ。
同じ試験でも、1次試験と2次試験はまったく別物の試験です。
まずは試験概要から、その違いを確認していきましょう。
1次試験 | 2次試験 | |
日程 | 2日間(8月上旬の土曜日・日曜日) | 1日(10月下旬の日曜日) |
時間 | 2次試験関連科目:90分×3科目 1次試験科目:60分×4科目 | 80分×4事例 |
出題 | 全7科目 | 全4科目 |
解答方法 | マークシート方式 | 記述式 |
次に(社)中小企業診断協会の1次試験と2次試験の定義も確認してみます。
1次試験
中小企業診断士になるのに必要な学識を有しているかどうかを判定することを目的として、企業経営に関する7科目について、筆記試験(多肢選択式)を行います。
(引用:(社)中小企業診断協会HP)
2次試験
中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、筆記試験及び口述試験を行います。
(引用:(社)中小企業診断協会HP)
簡単に言えば、以下の通りです。
・1次試験は「多肢選択式試験」で「基礎力」を問う試験。
・2次試験は「筆記試験及び口述試験」で「応用力」を問う試験。



試験の実施方法も試験で問われる内容もまったく違いますね。
1次試験と2次試験はまったく別物の試験。
中小企業診断士1次試験と2次試験の違い(勉強内容)





もう少し1次試験と2次試験の違いを教えてほしい。



勉強内容の違いを解説していきますね。
1次試験の勉強内容
1次試験は、診断士として必要な「基礎力」を判定する試験です。
社長に対し、経営のプロとして最適なな提案ができるよう正確な知識を習得するため、1次試験では膨大な出題範囲から出題されるのが特徴です。
具体的には、以下の7つの出題分野における知識を身につける必要があります。
・経済学・経済政策
・財務・会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・中小企業政策



1科目だけでも一つの試験が出来上がるくらいボリュームがあるのに、それが7科目もあるので相当ヘビーな試験です、、
1次試験は全7科目の膨大な出題範囲の勉強が必要。
2次試験の勉強内容
2次試験は、診断士として必要な「応用力」を判定する試験です。
2次試験では、1次試験で学んだ知識をベースに、社長に当社の業績向上や経営改善に関する助言を行っていくことが求められます。
具体的には、以下の4つの事例を題材として、社長に対する提案を行っていきます。
・事例Ⅰ(組織・人事)
・事例Ⅱ(マーケティング・流通)
・事例Ⅲ(生産・技術)
・事例Ⅳ(財務・会計)



2次試験は、実際のコンサル現場を紙面上で表した試験になります。
2次試験に合格するためには
・当社の業績向上や経営改善に資する提案をする。
・社長に対し分かりやすい文章で提案する。
・限られた提案時間で最適解を書く。
といった1次試験では求められない総合的な力が求められます。
2次試験は、社長に対する提案を行う試験。
中小企業診断士1次試験と2次試験で必要な対策





試験に合格するための具体的な対策も知りたいよ。



「量」「質」「マインド」の観点から解説していきますね。
1次試験は基礎力、2次試験は応用力を判定する試験です。
それでは、1次試験、2次試験を突破するためには、どのような勉強をしていけばいいのか。
ここでは、1次試験、2次試験の勉強内容について、それぞれ「量」「質」「マインド」の3つの観点から整理していきます。
本記事では「量」「質」「マインド」を次の通り定義します。
要素 | 概要 |
量 | ・勉強時間 ・過去問/模試を解いた数 |
質 | ・勉強方法 ・勉強の効率性 ・テクニック ・ノウハウ |
マインド | ・目的 ・目標 ・習慣 ・時間管理 ・モチベーション管理 |
そして、3つの要素で10点満点とした場合、1次試験と2次試験で求められる要素の構成を次の示します。





1次試験では「量」、2次試験では「質」を重視した勉強が必要です。
それぞれ詳細を解説していきますね。
1次試験の対策
1次試験で求められる勉強は次の通りです。
要素 | 割合 | 概要 |
量 | 6 | 膨大な出題範囲に対応する勉強量が必要 |
質 | 1 | 少ない時間で効率よく試験勉強を進めていく工夫が必要 |
マインド | 2 | 本試験までたどり着く習慣作りやモチベーション管理が必要 |
1次試験で最も重要なことは「圧倒的な勉強量」をこなすことです。
上述した通り、出題範囲が膨大で多岐に渡るので、必然的に多くの勉強量が必要になります。
一方、すべての出題範囲を隅から隅まで勉強していては、どれだけ時間があっても足りないので、少ない時間で試験に合格するための勉強を効率よく進めていく工夫も大事になってきます。
さらに、膨大な勉強量を1週間、1ヶ月でこなすことはむずかしいので、長期間に渡って毎日勉強を続けていく習慣作りや、モチベーション管理といった土台作りも大切ですね。



1次試験は基礎力を問う試験なので、勉強量が合否に直結し易い傾向があります。
1次試験は勉強量が重要。
2次試験の対策
2次試験で求められる勉強は次の通りです。
要素 | 割合 | 概要 |
量 | 3 | ・1次試験から新しく身につける知識はない ・過去問や模試の勉強は必要 |
質 | 5 | ・2次試験の本質を理解する ・本質を踏まえた上で2次試験突破に必要な解答テクニックを習得する |
マインド | 2 | ・1次試験の勉強で勉強習慣は習得済み ・掴みどころがない中、勉強を続けていくモチベーション管理が必要 |
2次試験で最も重要なことは「本質を捉えた勉強」です。
すでに1次試験で診断士に必要な基礎知識を学んでいるので、新しく身につける知識はありません。
それよりも、1次試験の知識をベースに社長に提案を行い、当社の業績向上や経営改善に資する提案を行っていく力が求められます。
言い換えれば、当社の状況や社長の思いを正確に把握し、その上で、一社一社に最適な提案を図っていくことが必要で、これが2次試験の「本質」になります。
この本質がきちんと理解できていないと、社長から了承を取ることはできず、永遠に2次試験に合格できないことになるので注意してください。



2次試験に短期合格できる人は本質を捉えた勉強をしている人、何年経っても合格できない人は本質から外れた勉強をしている人になります。
とことん当社や社長に寄り添った解答を書いた人が合格する試験が2次試験。
1次試験と2次試験で勉強方法を変えることが合格のキー


1次試験は3年以内に突破する人がほとんどです。
しかし、2次試験はストレート合格できる人もいれば、5年、6年経っても一向に合格できない人もいます。
理由は、2次試験を1次試験の延長線上で考えているからです。
1次試験と2次試験はまったく別物の試験なので、きちんと切り分けて試験対策をする必要があります。
まとめると、2次試験に合格するためには、1次試験の勉強スタイルから脱却し、2次試験の本質を理解した勉強スタイルへと変える必要があるということです。
別物の試験ということは、勉強内容・方法、対策もまったく違う。
まとめ:中小企業診断士1次試験と2次試験はまったく別物の試験と考えよう


今回は、診断士試験の1次試験と2次試験の違いについてお話してきました。
本記事の要約
- 1次試験と2次試験は別物の試験
- 1次試験の特徴は、膨大な出題範囲。
- 2次試験の特徴は、1次試験の知識をベースに社長に提案する試験。
- 1次試験突破に最も必要なことは「量」。
- 2次試験突破に最も必要なことは「質」。
1次試験と2次試験はまったく別物の試験であるので、勉強内容・方法はガラリと変わります。
この違いをきちんと理解し、1次試験と2次試験の特徴を踏まえた勉強をすることが最短合格の鍵となります。



逆に、1次試験と2次試験の最短合格に向けた基本的な戦略をそれぞれ理解できれば、短期ストレート合格が可能な試験ですよ。
1次試験と2次試験の最短合格に向けた基本的な戦略や考え方を知りたい人は以下を参考にしてくださいね。
・中小企業診断士1次試験をとことん効率的に短期合格するための完全ロードマップ
・中小企業診断士2次試験にストレート合格するために最も重要なことは「2次試験の〇〇」を理解すること
がむしゃらに勉強するのではなく、一歩立ち止まって1次試験と2次試験で求められていることを正確に理解することに努めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。