
・模範解答がないと何が正解か分からない。
・診断士2次試験って何で模範解答がないの?
・模範解答がないのに、どうやって勉強するの?
この記事では、このような悩みを解決するために、次のことが書いてあります。
- 本記事の信頼性
僕自身が診断士試験にストレート合格、診断士2次試験勉強会の講師役として4年間受験生と関わってきた経験に基づいて書いています。
- 与件文の読み方が分からない。
- 解答の書き方が分からない。
- 80分の時間が足りない。
診断士2次試験に関するお悩みはたくさんありますが、一番よく聞くのは「模範解答が公表されないこと」です。



模範解答が公表されないと、どうやって勉強したらいいのか分からないし、何が正解なのか分からないよ。
この記事では、診断士2次試験で模範解答が公表されない理由について解説していきます。
模範解答が公表されずに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
診断士2次試験で模範解答が公表されないと困ることは?


- 手応えのあった事例の点数があまり良くなかった。
- 逆に、手応えのなかった事例の点数が良かった。
- 合格できた理由が分からない。
2次試験の合否結果を受けた受験生からはこのような話をよく聞きます。
模範解答がないので、何が正解で何が不正解なのかまったく分からないのが診断士2次試験。
さらに、模範解答がないため、勉強しているときにもいろいろな悩みが出てきます。
- 模範解答が公表されないことで勉強するときに困ること
模範解答がないので、とにかく掴みどころがなく、雲をつかむようなイメージの診断士2次試験。
そのため、何年も合格できず、挫折してしまう人も多いです。
診断士2次試験は、模範解答がないことから勉強の対策がとにかく立てにくい。
診断士2次試験とは一体どんな試験なのか?





そもそも試験なのに、模範解答がないなんておかしいんじゃない?



たしかに、ほとんどの資格試験は、模範解答がセットになっていますよね。



なんで診断士2次試験は模範解答が公表されないんだろう、、



このことを考える前に、まずは診断士2次試験の定義を確認しましょう。
診断士2次試験の定義とは?
そもそも2次試験とは何なのか?
2次試験の模範解答がない理由を考える前に、まずは診断士2次試験の定義をきちんと確認しておきましょう。
(社)中小企業診断協会のHPを確認すると、診断士2次試験は以下のように定義されています。
- 中小企業診断士2次試験の定義



診断士2次試験は、「実務の事例をベースに診断及び助言に関する能力を図るもの」であることが分かりますね。



えーっと、、簡単に言えば、どういうこと?



「実際のコンサル事例を題材にして、紙面上でコンサル能力を図るもの」ということですね。
一般のコンサル現場はどんな流れなの?
次に、一般的なコンサル現場の流れを確認しましょう。
- 一般的なコンサル活動の流れ
- 訪問前の事前準備をする。
- 社長と打合せをして、当社の現状・課題の把握をする。
- 社長との打合せ結果を踏まえた提案内容を考える。
- 社長に提案する。
- 社長が提案内容の採用可否を判断する。



社長から答えを教えてもらえるプロセスは、、、もちろんないね。



もちろんないです。社長はあなたに当社の現状をお伝えして、あなたからの提案を待っている立場ですね。
実際のコンサル現場では、社長が診断士のあなたから提案を聞いて、その提案の可否を判断して、自社の経営に取り入れるかどうかの決定をします。
ここで気をつけたいことは、社長はあくまでもあなたの提案の善し悪しを判断しているだけであって、「正解かどうかを判断しているのではない」ということです。
なぜなら、社長自身も、どの提案内容が自社にとって正解なのかは分からないからです。
自社の特徴や強み、市場や競合の動向など、いろいろな状況を踏まえながら、自社にとってベストの提案を選択しているだけなのです。



たしかに自社の業績が絶対良くなる正解が分かっていれば、誰も苦労しないよね。



だからこそ経営は難しいんですよね。自社の業績向上にベストと思う経営判断をするのが社長の役目です。
実際のコンサル現場では、正解が決まっていることはあり得ない。社長は、いくつもの選択肢の中から自社にとってベストな策の意志決定を実施しているにすぎない。
診断士2次試験の模範解答が公表されない理由





つまり、経営をしていく上で正解は決まってないから、いくつもの判断があって良いってことだよね?



そうなんです。決まった正解はなくて、あくまでも自社にとって良い提案かどうかの判断をしているだけなんですね。



つなり、社長自身も正解を持ち合わせていないってことだね。



これを診断士2次試験に置き換えてみたらどうですか?



そうか!診断士2次試験は、実際のコンサル現場を紙で再現したものだから、正解が1つに決まっているわけじゃないんだね!



その通り!出題者側も1つの正解を決めることはできないんですね。だから診断士2次試験には模範解答が存在しないんですね。
診断士2次試験は、実際のコンサル事例を題材にして、紙面上でコンサル能力を図るもの。
つまり、実際のコンサル現場で社長から答えを教えてもらうことがなければ、2次試験上でも模範解答を教えてもらえることはないということです。
- 一般的なコンサル活動の流れ
- 訪問前の事前準備をする。
- 社長と打合せをして、当社の現状・課題の把握をする。
- 社長との打合せ結果を踏まえた提案内容を考える。
- 社長に提案する。
- 社長が提案内容の採用可否を判断する。
- 診断士2次試験のプロセスに置き換えた場合
実際のコンサル活動では、④であなたが社長に提案した内容が、⑤で社長が当社によって良いと判断すれば、その提案内容を採用してくれるのです。
これを診断士2次試験に置き換えてみると、④であなたの書いた解答が、⑤で採点官が当社にとって良いと判断すれば合格にしてくれる、ということです。
実際のコンサル現場で起きている流れと、診断士2次試験の流れはまったく同じ。



だから、手応えがあったと思っても合格点まで届いていなかったり、手応えがなくても合格点になっている場合があったりするんだね。



いくら受験生が会心の解答と思っても、その提案内容が当社の状況に沿ってなければ採用されないから合格にならないってことですね。逆も同じ。受験生がイマイチの提案と思っても、実は当社の状況にばっちりハマっていれば採用されて合格になるんです。
診断士2次試験の本質を考えたとき、診断士2次試験では模範解答が公表されない方が自然
まとめ


資格受験をするとき、問題を解いて解答解説を見るというプロセスは、答えのある試験では一般的なプロセスです。
しかし、診断士2次試験は、当社の経営改善や業績向上を実現するための提案を行う試験。
経営に正解はないから、診断士2次試験でも模範解答が存在しないんですね。
- 本人は最高の提案と思っても、社長にとって魅力がなければ採用されない。
- 本人はイマイチと思った提案でも、社長が最高と思えば、採用される。
当社の状況や社長の思いに寄り添った解答が書けるかどうかが2次試験の合否を決めるポイントですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。