
・なんで与件文に寄り添う必要があるの?
・よく解答は与件文に忠実にって聞くけど、なんで?
この記事では、このような悩みを解決するために、次のことが書いてあります。
- 本記事の信頼性
診断士試験にストレート合格した僕自身の体験、診断士2次試験受験生向け勉強会で4年間講師役、論文添削を務めた体験に基づいて書いています。
診断士2次試験は、とにかく与件文に忠実に。
診断士2次試験の受験生であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
この巷のウワサの通り、診断士2次試験に合格するためには、とにかく与件文に寄り添った解答作成が必須条件です。
それでは、なぜここまで与件文に忠実に従う必要があるのか?
- 今までの経験や知識を盛り込んではいけないのか?
- 最新のトレンドや経営スタイルを提案してはダメなのか?



診断士2次試験では、これらの解答はすべて「NG」です。与件文に書いていないことをいくら一生懸命書いても採点されません。
この記事では、診断士2次試験合格のためには、とにかく与件文に寄り添う必要がある理由を解説していきます。
この理由をしっかり理解することで、今まで以上に与件文を大切にしようと思う気持ちになりますよ。
診断士2次試験が与件文に忠実であることが必要な理由は?


与件文には、当社に関する内容や社長へのヒアリング結果を中心に書かれています。
- 与件文に書かれている主な内容
受験生のあなたは、この事実を認識して、社長に対する提案(解答作成)を行っていきます。
社長の立場からすれば、当然、当社の事情を理解してくれた上で、当社の経営改善や業績向上を実現する提案が聞けると楽しみにしています。
すなわち、与件文は、受験生と社長との間の共通認識を示したものなんですね。



こんなとき、当社にまったく関係のないことを延々と提案されたらどう感じますか?



聞く気にもならないし、そんな提案を採用したいなんて思わないね。
・いくら他社で成功した事例でも、当社に当てはまらなければ意味がない。
・いくら業界でトレンドの手法でも、当社で適用できるとは限らない。
・社長の思いを汲んでいなければ、社長は承認したいと思わない。
受験生のあなたが向き合っているのは、あくまでも事例の当社の社長。
そのためには、とことん当社に寄り添った提案をする必要があります。
当社に寄り添うために、受験生のあなたに与えられたものは「与件文の情報」がすべてです。
だからこそ、診断士2次試験では、与件文に忠実な解答が求められるんですね。
どれだけ過去の成功体験や世のトレンドに基づいた提案をしても、当社の事情に反していれば絶対に合格できない。
与件文に寄り添うとは具体的にはどのようなことか?





うーん、もう少しイメージを持ちたいんだけど、、



例を使って解説していきますね。
あなたが、Aさん、Bさんの2人の受験生(診断士)から提案を受ける社長として考えていきましょう。
はじめにAさんからの提案内容です。



・今の経営スタイルのトレンドはこれです。
・集客にはSNSとデジタルマーケティングが必須です。
・紙データはデジタル化して効率化するのが一番です。
次にBさんからの提案内容です。



・これまでの経営スタイルを大切にしながら、一部は別のアイデアを検討してはいかがでしょうか?
・当社が培ってきた地元業者とのネットワークを活かしましょう。
・紙データの使いやすさや親しみやすさは大切にしたいですね。
あなたが社長だったら、どう感じますか?
Aさんからの提案に対する印象はどうでしょう?



・一般論を説明されても、、
・横文字は分からないんだけど。
・当社の事情を分かってくれていない、、
・あなたの知識がすごいことは分かった。
・私が言ったことが伝わっているのかな?
次にBさんからの提案に対する印象はどうでしょう?



・当社の事情を踏まえてくれている。
・私が言ったことを理解してくれている。
・簡単な言葉で説明してくれて、分かりやすいよ。
・豊富な経験と知識から、当社向けの提案を考えてくれている。
Aさんからの提案は、世のトレンドから見たら、もしかしたらその通りなのかもしれませんね。
しかし、このトレンドや手法が、当社に当てはまるかどうかはまったく別物です。
当社に、世のトレンドを取り入れることも大切ですが、自社の組織文化やこれまで培ってきたノウハウや強み、特徴を活かしていくことも大切です。
そのため、世のトレンドが、当社で活かせないならば、意味がないものになります。
一方、Bさんは、当社の事情を踏まえた上で最善の提案をしてくれています。
このような提案であれば、社長としては安心ですし、もっと話を聞いてみたいと思うのではないでしょうか。



会社のことをきちんと考えてくれる人といっしょに仕事がしたいよね。



そうですね。相手のことに寄り添う気持ちはどんな場面でも大切ですね。
いかに当社の事情に寄り添った提案できるかが重要。
与件文を読み解くときの注意点





与件文に忠実に、という理由は分かったけど、ついつい過去の経験や知識が邪魔をしそうな場合もありそうだね。



それは本当に要注意です。与件文をしっかり読んでいるつもりが、知らない間に自分の経験談を語ってしまうケースは多いです。



自分の経験談を語ってしまうってことは、、コンサル経験が多い人ほど要注意な気もするね、、
「与件文に忠実に」。
頭で分かっていても、実際にこれを守り抜くことは難しいものです。
- 問題を読みながら、過去の体験から次の展開を想像してしまう。
- このケースにはこの手法を使ったら良い、と思い込んでしまう。
- 解答作成で分からないとき、過去の成功事例を思い出してしまう。
このように、無意識のうちに自分の先入観を交えて読んだり考えたりしてしまうケースがあるので注意が必要です。
- 特に注意したい過去の経験
・コンサルファームで勤務している人
・中小企業向けにコンサル活動をしている人
・コンサル関連の一般書籍を読み漁っている人



すでにコンサル経験が豊富でたくさんの実績や知識がある人ほど、実務の経験を診断士2次試験に持ち込んでしまいがちなので注意が必要です。
先入観は一切捨てる。自分自身の経験にも頼らない。とにかく与件文に寄り添う気持ちと姿勢が診断士2次試験突破のキー。
まとめ


相手の気持ちや事情に寄り添った話をすることは大切なことですよね。
診断士2次試験でもまったく同じ。
当社や社長の気持ちや事情に寄り添った提案をすることが、当社や社長にとって最高の提案につながります。
ぜひ、このことを大切にして与件文を読み解いていってくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。